御用金

将軍の代替わりに、諸国に派遣された幕府の巡見使いは、さまざまな質問をしているが、その中に、領土の勝手向如何、すなわち藩財政の状況についての質問がある。三条陣屋支配下の、案内村方役人の回答では、ただいま相応の御勝手である。とこたえている。あるいは、先代が京都所司代の役職につき、莫大な入り用がかさみ、勝手向きは不如意になった。近年ひきつづく凶作のため臨時の費用がかさみ、今は勝手向きが難しいようである。と答えている。公式の答えであるから、かなり遠慮した表現なっていると思われるが村方から見ても、藩財政が困窮しているといわざるをえなかったのであった。もともと藩財政のあまり豊かでない藩では大きな負担となっていたことは当然である。村方へは、通常の年貢のほかに、臨時の御用金がたびたび課せられることになる。負担が増大するにしたがってこれに対する村方からの藩政への発言も積極的になっていくようである。こうした財政困窮は幕末期になると海防上の負担もかかわりいっそう深刻なものとなっていく。

御用金