庄屋名主

各村には庄屋あるいは名主とよばれる村役人が置かれていた。庄屋や名主は、おやさまとよばれて村人から信頼をあつめて村の中心的な存在であった。その反面、村や村人の生活を維持する責任があった。その職掌にもいろいろあるが、なかでも年貢の割り付けから皆済までの収納事務と、その目的を達成するための農業の遂行は、最も重要な職務であり多岐にわたっていた。庄屋の役割のひとつに農業技術の普及、指導があげられる。二つ目は災害、凶作時の救済処置を講ずることである。これは疲弊した村を過酷な搾取からまもり、翌年の作付けの労働力、食料を保証する意味合いがある。害虫駆除用の油購入資金拝借願い、収穫がない年の年貢減免の願い、作付けに必要な種籾の拝借願い、翌年の収穫までの飯米の拝借願い、労働力が不足している場合の加勢人数の要請などである。三つ目は、農業用水利施設の整備、治水事業、土地改良事業の推進などである。これは用排水樋の建設や築堤、修堤工事、さらには三潟水抜きがあげられる。そして四つ目は五穀豊穣の祈願である。村々の名主たちは雨乞いにも率先して参加し、その効力を期待した。神仏の力をかりて収穫をたしかなものにしようとすることも庄屋名主の役割のひとつであった。

庄屋名主